WEB分析

平均値との向き合い方

EC事業について考える

Posted on 2013年9月27日

◆EC業界の平均値エトセトラ

ネットショップ事業には”平均値”という値がよく用いられると感じています。

それは、良い意味で考えると
・ECは、その気になればあらゆる数値を収集できるからであり
悪い意味で考えると
・自社の数値に自信がないからかもしれません。

つまり、安心したいのかもしれませんね。

EC業界の平均値で思いつく数値をあげると
・平均単価
・平均月商
・平均CVR
・平均流通総額

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◆平均値の算出方法は3種類

一旦、平均値とは何かから考えてみます。

平均値とは、、、
二つ以上の数値から、ある基準でそれらの性質を表示できる
指標を作りだすことが可能な場合、その値のことを「平均値」と言う。らしいです。

また、平均値もいろいろありますね。
統計で平均値を算出する方法には三つの種類があります。

平均値(算術平均):標本の合計値を、標本数で割った数(一番ポピュラー!?)
中央値:実情をよく表している数値といわれる
最頻値:より大多数の実感に近い数値といわれる
※それぞれの違い、特長についてはここでは述べません。

ここで言えるのは、標本の中に飛びぬけた標本があれば、平均値は本当にただの数字になるということ。
そして、平均値の元となる標本はどういう標本か(歴史、場所、対象など)ということです。

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◆平均値をどこまで参考にするのか?

あえて極論をいいます。
平均を気にする時点で、意思と計画がないのでは?

たとえば、取扱っているジャンルの平均的なCVRが3%だとしましょう。

その時、もしあなたのお店のCVRが2%ならどう思いますか?

きっと

「うちは平均以下か、、3%はまだ目指せるはず。(平均を目指さないと)」

と思うでしょう。

それは間違いではないと思います。
しかし、以下の場合どうでしょう?

・平均的なCVR3%という店舗は全てECを始めて5年以上の店舗で
あなたの店舗はECを始めて1年目の店舗という場合

このように考えるとリピート客と新規客の数の違いや、そもそもの背景の違いなど
他に見た方がよい数値や条件が浮かんでくるのではないでしょうか?

また、逆にあたなの平均CVRは5%だった場合どうでしょう?
平均を目指して、平均までCVRを下げますか(笑)?

何が言いたいかといいますと、平均値に限らず、数値は”意思・計画”ありきで分析して、向き合うものだということです。

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◆こんな平均値に惑わされないで

それは平均流通総額というものです。
ごくまれに、
・どのショッピングカートが売れますか?
・どのショッピングカートが平均流通総額が高いですか?

と聞かれます。
確かに、関心の理由もよくわかります。

しかし、売れるカートというものはありません。
売るのは商品で、カートの本来的な価値は”決済完了いただくこと”ですから。

ただし、ビジネスモデルで相性の良いカートと良くないカートはあると思います。

それに平均流通総額に関しては殆ど意味のない数字だと思います。

まず、1店舗が劇的に売っていたら平均値は上がります。
それにそもそも標本の特性(ジャンルや年数)がオープンにされていないからです。
なので、その数値だけで意思決定はできませんね。

特に、この手の数値は営業的に使われるので、算術平均で算出されているはずですから・・。

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◆平均値との向き合い方

では、平均値とどのように向き合えば良いのか、おさらいです。

まず、意思と計画を持つことが大前提です。
それらが、一番大切なモノサシだと考えます。

その上で、参考にする平均値の標本をよく見てください。
(分母の数、標本のクオリティなど)
平均というものは、分母から算出されますから。

また、その平均値だけに惑わされないことです。
平均値は数ある大切な指標の1つの指標にすぎません。

平均値より高いと平均まで下げないはずです。
平均値より低くても、今のポジションと今後のベクトルが見えていれば問題ないはずです。
何度も述べますが、大切なことは意思と計画を持つことではないでしょうか。